クロダイ Acanthopagrus schlegelii
スズキ目タイ科
クロダイは、広島が全国有数の産地であり、昔から「チヌ」と呼ばれ、親しまれてきました。真っ黒な見た目からは、想像できないような透き通った白身の魚です。また、広島湾で育ったクロダイは、筏に吊り下げられたカキに付着する豊富な餌生物を食べており、特に冬場のクロダイは、「寒チヌ」と呼ばれ、脂の乗ったプリプリの身は、絶品です。
クロダイのカンタンおいしいレシピ
クロダイの栄養
クロダイは、低脂肪・低カロリーでしかも高タンパクであり、健康によい食品です。また皮に多く含まれているビタミンAには視力を回復し皮膚の新陳代謝を促進させる効果があります。また、旨味成分であるイノシン酸も豊富に含んでおり、熟成することで更に美味しさが増します。
TIPS
旬の時期は冬。平成30年のクロダイの漁獲量(ヘダイを含む)は広島県が205tです(農林水産統計より抜粋)。クロダイは、琉球列島を除いた北海道以南に生息し、朝鮮半島南部、中国北西部、台湾にも分布します。沿岸の潮の流れのゆるやかな内湾を好み、水深50m以浅の砂泥底や岩礁にすむ魚です。主にエビ・カニ類、貝、ゴカイ、小魚等の小動物や海藻等を食べ、1年で9~12cm、2年で18~21cm、3年で24~27cmに成長し、大きなものでは60cmに達するものもいます。クロダイは産まれて2~3年ごろまでは、全ての魚がオスです。ところが3年を過ぎる頃から一部の魚はメスとして卵を産むようになり、4年で多くがメスに性転換します。
和食、洋食、中華、韓国風でクロダイを美味しくいただけるレシピを紹介しています。
和風料理
洋風料理
中華料理
韓国料理
クロダイのおろしかた
クロダイは丸のままで売られていることが多い魚です。また、釣ったクロダイをご近所から分けていただくこともあるかもしれませんね。
美味しいクロダイ料理を作っていただくのにお役立ちの、「クロダイのおろしかた」をご紹介します。
下準備
ウロコを取り、内臓を傷付けないように腹を下あごの後から肛門まで切り開いて内臓を取り出し、歯ブラシ等を使って水洗いします。
フキンかキッチンペーパーで水気をしっかりとふき取ります。
下準備はできるだけ丁寧にして、水気をふき取った後は水を使わないようにするとより美味しくなります。
①胸びれの後からえらの延長線上に向けて、背骨に当たるまで斜めに包丁を入れる。
②魚を裏返して同じ様に包丁を入れ、背骨の骨と骨の継ぎ目に包丁を当てて頭を切り落とす。
③頭側を右、腹を手前に置きなおし、身の腹側を持ち上げて腹から尾まで中骨の上をすべらせるように背骨まで切り進める。
④ 背骨まで切り進んだら、腹骨の付け根に包丁を入れ、背骨から切り離す。
⑤背を手前に置きなおし、尾から頭方向に向かって中骨の上をすべらせるように包丁を入れる。
⑥尾の付け根に包丁を入れ、身をとりはずす。
⑦身を裏返し、頭側を右、背を手前に置きなおし、頭側から尾まで中骨の上をすべらせるように背骨まで切り進める。
⑧腹を手前に置きなおし、尾から頭方向に向かって中骨の上をすべらせるように背骨まで切り進める。
⑨ 背骨まで切り進んだら、腹骨の付け根に包丁を入れ、背骨から切り離す。
⑩尾の付け根に包丁を入れ、身をとりはずす。
⑪ 三枚おろしの出来上がり。